逆子の鍼灸治療とセルフケアのご紹介
こんにちは。
女性のための鍼灸院 – nobori – の中村です。
徐々に寒くなってきましたが、風邪などはひかれてないでしょうか。
毎年、冬の寒い時期になると妊娠中の患者様から「逆子」のご相談が増えます。
そこで今日は、逆子になった時に鍼灸ではどのように対応していくのか、またご自身でできるセルフケアをご紹介していきます。
逆子は妊娠何週から心配した方が良いの？
自然分娩での出産時、赤ちゃんの頭は下向き（骨盤に収まっている胎位：頭位）になって産まれてきますが、この赤ちゃんの頭が上を向いている状態（下半身を子宮口側に向けている胎位：骨盤位）を「逆子」といいます。
妊娠中期の赤ちゃんにとっては、子宮内のお部屋は広いためクルクルと色んな向きに姿勢を変えながら過ごしています。そのため妊娠中期に逆子だったとしても、大体の赤ちゃんが分娩時には頭を下に向けた頭位になる事が多く、医師の中には32～34週までは「まだ大丈夫ですよ」と声を掛けるパターンもあります。
しかし実際には、妊娠後期28週の時点で逆子と診断されているのであればなるべく早めに鍼灸治療を受けていただいた方が良いです。子宮内の赤ちゃんの動くスペースがあった方が確実に回りやすく、頭の重さですぐに骨盤に収まりやすくなります。
逆子になってしまうのはなぜ？
逆子の原因は残念ながら未だに分かってはいませんが、考えられる原因としては、生まれつき子宮が小さい（骨盤が狭い）、双角子宮などの形状異常、子宮筋腫がある、羊水の量が多い（または少ない）、子宮周囲の筋肉の緊張が強い、カラダの冷えなどが考えられます。
そこで鍼灸では、お腹（骨盤・子宮周囲）の筋緊張を取ること、カラダの内面や下半身を中心に温めることを意識して治療していきます。治療後の患者様からは実際に、「ここ最近の中で胎動を一番感じます」や「カラダがポカポカしていて、突っ張るようなお腹も緩みました」などおっしゃっていただき、早い方では当日の夜、少し時間がかかる方でも治療後2～3週間以内に逆子が改善されています。
昔から「逆子にはお灸が良い」として知られていますが、実際に私も逆子治療で有名な「至陰の灸」を行っていきます。下の写真の赤矢印をご覧下さい。足の小指の爪の際が「至陰（しいん）」というツボで、背部や骨盤周りの施術の後にここにお灸を行っていきます。
自分で出来るセルフケア
鍼灸院が遠くてなかなか行けない、もしくは鍼灸院の通院日以外でもできる事を行いたいという方もいらっしゃると思います。そんな方向けにいくつかご紹介しますね。
まず一つ目が「自宅で行うお灸」をすることです。
よく「せんねん灸」という商品名で売られていますが、本当にオススメです。もちろん逆子にも良いですが、妊娠後期に悩まされる腰痛やお腹の張り、足の浮腫みなどにも効果的です。逆子対策のオススメのツボは上記の写真の「至陰」と「三陰交」が良いです。
二つ目が「10分～20分のお風呂」に入ることです。
妊娠後期になると、暑がりになったり、ほてるような症状が出る方が多いため、意外とお湯に浸からない妊婦さんが多いんですよね。しかし、逆子の方は必ず入っていただいた方が良いと思います。水中は筋肉や関節にかかる負担が大きく軽減されますし、お風呂の温かさによってリラックス効果も期待でき全身の緊張が取り除かれます。お母さんの腹圧が緩むと子宮内の赤ちゃんのスペースが確保され動きやすくなりますよ。どうしても苦手という方は、ぬるま湯、もしくは足湯だけでも良いので試してみてください。
三つ目は「腹式呼吸」をすることです。
正しい呼吸では横隔膜が使われますが、この横隔膜と骨盤の底にある骨盤底筋群は連動していますので、逆子で腹部周囲を緩めたいという場合はもちろんですが、失禁に悩んでいるという方もやっていただいた方が良いと思います。また出産時にも腹式呼吸は大切ですのでぜひ今から行っておいて下さいね。
四つ目は「目」を使いすぎないことです。
今はスマートフォンが当たり前の時代になってしまいましたが、妊婦さん（産後も）は目を酷使しない方が良いです。スマホの見過ぎによる目への負担は、カラダ全体へも影響を及ぼします。昔から「妊婦、産後は目を使ってはいけない」と言われていますが、妊婦さんのカラダのベースとなる自律神経のバランスを崩さないためにも、妊娠中は目の酷使は気をつけましょうね。
いかがでしたでしょうか。
逆子では帝王切開になりますが、術後のリスク（体調の変化、次の妊娠を望む場合の不妊症）はゼロではありませんので、逆子であれば治していきたいところですね。
当院でも逆子治療を行っておりますので、お悩みの方はご遠慮なくお問い合わせ下さい。
逆子治療の場合は、当日カウンセリング後にすぐに施術をさせていただきますので、ご希望の方は「はじめての方へ」からお問い合わせ下さい。
本日もお読みいただきありがとうございました。
鍼灸サロン – nobori - 中村 早耶香
