子宮内膜が薄いのですが何か対策はありますか?
こんにちは。
女性のための鍼灸院 – nobori – の中村です。
2019年も残り僅か、気温も本格的な寒さになってきましたね。
最近は、インスタグラムのストーリーで質問を受付け、皆さんのお悩みにお答えしているのですが、質問の中でもよく聞かれるのが、今日のタイトルでもある「子宮内膜が薄いのですが何か対策はありますか?」です。
子宮内膜が薄いと、せっかくためてきた凍結胚を移植できない・・という事で悩む方も多いと思います。
患者様の中には、着床できない原因の一つとして「子宮内膜が薄い」と医師から言われていた方もいらっしゃいました。
そこで今日は、西洋医学・東洋医学(鍼灸)の両方の視点から、内膜を厚くするための対策をお伝えしていきます。
子宮内膜とは、分割をした胚が着床する場所のことですが、どのぐらいの厚さがあれば良いかご存じでしょうか?
病院によって基準が異なる場合がありますが、一般的には8mm~10mm以上が望ましいです。患者様の中には、5~6mm台でも着床し妊娠・出産に至った方が何名かおられますが、症例数としては少ないため、8mm以上が着床しやすい子宮内膜と思っていただけると良いと思います。
子宮内膜は卵胞から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けて、月経周期の4日目頃から1mm/日ずつ厚くなっていきます。また、厚さは血中エストロゲン値に相関してきますので、卵胞が育っていることも厚みを出すためのポイントといえます。
では移植時に内膜が薄い方の場合の病院側(西洋医学)の対応をご紹介していきます。
一般的には内膜を厚くさせるためにエストロゲン剤を使用するホルモン補充療法が行われます。エストロゲン剤であるプレマリン・プラギノーバなどの服用や、エストラーナテープを下腹部に貼るといった方法です。この他には、抗酸化作用や血流促進効果のあるビタミンE・ビタミンCや、研究で立証されたL-アルギニンやバイアグラなどを服用することで内膜を厚くするという方法もあります。
ビタミンに関しては前回の記事「ビタミン剤やサプリメントは妊活に効果がありますか?」にもまとめてありますので参考にしてみてくださいね。
それでは、鍼灸(東洋医学)ではどのようにアプローチをしていくかご説明していきますね。
鍼灸では自律神経の調整と子宮周囲の血流を促進することで内膜を厚くしていきます。「自律神経」と「血流促進」はよく聞く言葉だとは思いますが、子宮や卵巣などの生殖機能の向上には非常に大切です。
自律神経にはストレスを感じると高まる交感神経と、リラックスしている時に高まる副交感神経という2種類が存在しています。通常、2つの神経がバランスよく働いていることでカラダのあらゆる機能が保たれているのですが、子宮は血管収縮を起こす交感神経の支配しか受けていません。(子宮は大事な場所だからこそ、周囲の微細血管を収縮をして血流を逃がさないようにしているのではないかと思っています。)
子宮内膜の厚みを出すためには、この交感神経の興奮を抑えて血管を拡張させ、子宮周囲の血流を向上させる必要があります。そこで鍼灸治療でも、自律神経の調整と子宮や子宮周囲の血流を促進する治療を行っていきます。
定期的な治療を受けていただく事で、内膜が薄くて移植に辿り付けなかった方も8mmの厚さを越えて移植を無事に迎えられています。薬剤を投与しても変わらなかったという方は、ぜひ一度鍼灸を試してみてはいかがでしょうか。
私が診させていただいている患者様は、病院での治療と並行して鍼灸を取り入れてくださっています。
移植周期の鍼灸治療は、子宮内膜が厚くなるだけではなく、免疫機能を正常にさせることで着床もしやすくなりますので是非検討してみてくださいね。
本日もお読みいただきありがとうございました。
鍼灸サロン -nobori- 中村 早耶香